情報通信
従業員の安全を見守る、腕時計型IoTソリューション
世界が異常気象に見舞われている。近年、日本では酷暑が問題となっていて、政府は'13年に「熱中症予防月間」を定めて以来、熱中症対策の推進と周知に努めている。その期間は今年も8月31日まで続く。
全国の暑さ指数(WBGT)を実況かつ予測している環境省の熱中症予防情報サイトによると、昨年、熱中症患者の救急搬送は9万5,000件、死亡者数が1,500超。学校や自宅だけでなく、職場での熱中症も多発していて、屋外や高温環境での作業が多い業種では、各所への温湿度計設置や水分補給の呼びかけ等、その対策が積極的に進められている。
が、発症は体調などにも左右される。各人の体調管理を綿密に行っている企業はまだ少ない。現状では、熱中症以外の異変――夜間に単独作業する従業員の急な変調を早期に発見したいとのニーズもあるという。オプテージは16日、IoT(モノのインターネット)技術を生かした作業員安全管理支援ソリューション「みまもりWatch」の提供を開始する。
省電力・広域無線通信の国際規格LoRaWAN®(LoRaアライアンス)対応の腕時計型トラッカーを活用し、屋外や工場などにおける業務の安全性向上を支援する。同ソリューションは、関西電力病院 救急集中治療センター端野医師監修のもと、周囲の温湿度から最新のWBGT値を推定し、個人のバイタル情報と合わせて熱中症リスクを判定する、アルゴリズムを同社が独自開発したものだ。
「作業者への配布はウェアラブルトラッカーのみで、貸与管理の容易化を実現」、「通信コスト(ランニング)が安価」といった特長も備えた。みまもりWatchは、LoRaWAN親機1台で100人超をカバーし、Webでの集中監視を可能とする。転倒の検知やSOSボタンで危険状態をメール通知/管理者の駆けつけができるため、通年利用も叶う。親機は他のIoTセンサーとも接続でき、現場の各種データ収集にも使える。