SNSが発達した昨今、村の食堂に観光客があふれていたり、山奥で訪日客にあったりする。日本政府がめざす「観光立国」では旅行者の受け入れ体制が問われるが、口コミでその魅力が認識されたり人気に火が付いたりする、多くの地域は人口減に直面している。
かつて金銀山で栄え、いまも砂金採りが楽しめる。たらい船でも有名な佐渡島は、市の公式情報サイト「さど観光ナビ」によれば歴史と文化と自然と、おいしさの宝庫である。島への唯一の交通機関、佐渡汽船は、島内人口減などによる全体的な輸送量減少への対策として、SNSの活用による新たな観光需要の掘り起しや、全国で急増中のインバウンド需要の取り込みなど、顧客獲得に向けた各種施策に柔軟性をもって取り組んでいる。
かつ安全、確実、快適な運航を永続的に提供する体制を整えてきたという。同社は、予約・発券などの顧客向けシステムや貨物・運航管理などの社内システムを、NECのクラウド基盤サービスへ移行・刷新して今年4月に本格稼働した。移行直後のゴールデンウィーク、10連休効果で前年比3割増となった利用客数にも、刷新に伴う関連施策により問題なく対応できた。
今回のシステム移行では、AWSで運用しているホームページと「NEC Cloud IaaS」上の予約システム間のセキュアでスムーズな連携を実現した。クラウド環境の活用により、24時間365日止まらないサービスを具現化し災害時の事業継続性を強化している。ハードウェアの更改作業や日々の保守作業を不要にするなどして、月間運用コストの従来比15%削減も達成している。
客の利便性向上に寄与する多種多様なサービスの開発から提供までを迅速に行うことも可能にした。NECと佐渡汽船は、今後さらなるIT活用により、安全運航の徹底、佐渡島や新潟県の魅力発信、顧客満足度の向上を実現し、新規顧客やリピーターを増やすことにより一層の地域貢献を目指していく。