官民一体となり、八重山諸島で観光地型MaaSを実現する

れまでマイカーなどのモノに紐付いていた移動手段を、情報通信技術を活用したサービスへと変えていく。モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)は今、日本でも研究開発が活発で、スマホ等によるキャッシュレス決済の進展とも相まって、実用化への期待が高まっている。

MaaSの定義や国内外の事情および法制度については、国交省の国土交通政策研究所レポート('18年資料PDF)が詳述している。そして同省は現在、多様な地域での実証実験の支援×オープンデータの実証実験による新モビリティサービスの共通基盤の実現に向けて、「新モビリティサービス推進事業」(参考資料PDF)を主導中であり、公共交通政策としてそのモデル構築事業を公募・選定したばかりである。

7月9日、TISは、同社が参画している事業連携体の「離島船舶、バス、タクシーによる『八重山MaaS』実証実験」――沖縄県の八重山諸島で11月より来年2月まで実施予定の地域観光型MaaSが、事業の熟度が高く、全国の牽引役となる先駆的な取り組みを行うモデル事業として、上記「新モビリティサービス推進事業」に選定されたことを発表した。

同地域の旅行者は130万人超。レンタカー利用50%以上で公共交通分担率が低い。乗船・乗車券のキャッシュレス化が十分でなく、常に現金を持ち歩かねばならない。利便性が課題になっていた。八重山諸島の離島船舶、バス、タクシーをシームレスに繋ぐ「八重山MaaS」では、スマホによるチケット事前購入のほか、船とバスが一定期間乗り放題となるサービスを実現し、利便性アップと公共交通分担率向上などの効果検証を行う。

八重山MaaS事業連携体は、沖縄セルラーアグリ&マルシェJTB沖縄、TIS、琉球銀行八重山ビジターズビューローが、石垣市竹富町の支援の下で組成されたしくみであり、同市・同町に加え、沖縄総合事務局運輸部も参画・助言を予定しているという。