Webで簡単に需要予測、供給量を最適化して多様なムダを防ぐ

国連の食糧農業機関(FAO)はおよそ8年前、世界の生産量の約3分の1に相当する13億トンの食料が毎年廃棄されているとの調査結果を報告した。以来その事情、「食品ロス」は改善するどころか、先進各国においてますます大きな社会問題化している。

日本国内でも年間約646万トン('19年農水省公表値)にも及んでいる。食品ロスは、生産・加工・物流・小売・消費のバリューチェーンの各段階で発生する、その原因の1つが、需要と供給のミスマッチだという。NECは、「需給最適化プラットフォーム」のサービスを拡充し、Webブラウザから手軽に利用可能な「需給最適化プラットフォーム Webサービス版」を、7月8日より「Amazon SaaSストア」にて提供する。

製造段階での業務効率化と最適化、卸・物流でのエネルギーと消費資源の削減、そして小売段階で過剰生産と食品ロスの防止に繋げられるようにする。「需給最適化プラットフォーム」は、最先端AI技術群の1つ「異種混合学習技術」を活用することで、高精度な需要予測を要因分析とあわせて行える。多彩な業種で廃棄ロス削減を実現することから、国連SDGsなど社会課題解決への貢献としても注目されているという。

今回のWebサービス版には「定型予測(客数予測分析)」「非定型予測(多目的予測分析)」が用意(各リンク:Amazon)されている。NEC独自の分析モデル設計を用いる前者で、ユーザーはデータを入力するだけで来客数の予測を簡単に行える。ユーザー自身が分析モデルを設計する後者は、販売数や出荷数などをユニークに予測可能とするしくみだ。

両者とも、ユーザーが持つ販売実績など様々なデータと、NECが提供する気象情報などのコーザルデータ(天候や気温、曜日、イベントなど販売に影響を与える外部因子)を組み合わせて利用できる。予測に影響を与える要因分析も行え、業務分析への活用も可能だという。