情報通信
5Gネットワークにシェアリング経済効果を注入
第5世代移動体通信システム時代がやって来る。2時間の動画を3秒でダウンロードできるほどの「超高速・大容量」、遠隔医療などに役立つ「超低遅延」、産業及び社会インフラIoTの他、コネクテッドカーや自動運転車両に必須の「多数同時接続」といった特長を備えた5Gへの期待は大きい。
5Gはしかし、現行の4Gよりも遙かに多くの基地局を要する。移動通信システムの高度化・大容量化や利用する周波数帯の特性(電波の伝送距離が短く指向性が強い)、またその幅広い用途(IoT等)から、以前と比較して膨大な数の基地局が必要になると見込まれている。5Gネットワークの早期構築には、設備投資の効率化や基地局設置場所の確保などが大きな課題だという。
NTTとJTOWERは、5G時代におけるシェアリングモデルの推進に向けた資本提携および業務提携について、今月4日に合意したことを発表した。5G網の早期構築に係る上記課題の解決に向けて、両者は今回の資本・業務提携を通じ、NTTグループが保有する設備や、工事・保守及び関連するマネジメント等のノウハウと、JTOWERのインフラシェアリング分野における知見や営業力・技術力を活用するなどしていく。
JTOWERは、屋内インフラシェアリング事業として国内100件超の大型建物への「通信設備一本化」導入実績を有し、その仕組みをベトナム、ミャンマー、マレーシアなど海外でも展開中であり、5G時代をにらんだ屋外インフラ(タワー)シェアリング事業を今年度より本格化している。
5Gにおける通信業界全体の課題である「膨大な設備投資」と、「基地局の設置場所確保」について、両社のリソースを組み合わせることで、同業界全体に資する効率的かつ経済的なインフラシェアリングソリューションを提供していく。この度の取り組みにより、両社は、5Gの効率的な早期エリア展開、通信不感エリアの縮小などに貢献していく考えだ。