情報技術サービス市場の売上トップ5は今――

さまざまな産業分野において、最新の情報技術(IT)を駆使したデジタルトランスフォーメーション(DX)が進められている。昨今、ITユーザーも「所有」から「共有・共用」へのトレンドに敏感であり、ITシステムおよびITサービスベンダーに新たな基準での投資効果を求めている。

今月2日、IDC Japanは、'18年の国内ITサービス市場のベンダー売上ランキングを発表した。同市場の規模は約5兆7千億円(前年比成長率2.1%)で、ベンダー売上の1位は富士通。2~5位は日立製作所、NTTデータ、NEC、IBMの順であり、NECが2つ順位を下げ、日立とNTTデータが順位を上げているという。

ITサービスのプロジェクトベース市場では、製造や流通、政府/公共分野を中心に既存システムの刷新/更新需要の拡大により、上位10社すべてがプラス成長を遂げた。安定成長が続くマネージドサービス市場では、上位ランキングに大きな変化はなく、富士通が1位をキープ。サポートサービス市場は縮小傾向が続くハードウェア保守の影響を受け、上位10社のうち3社はマイナス成長だった。

産業分野別に見ると、金融向けはメガバンクのシステム統合案件の反動減を保険やクレジットカードなど、銀行以外の案件でリカバリーする状況が続いている。製造向けでは、MHIシステムズを買収したNTTデータが20%を超える高成長を遂げた。政府/公共向けは、官公庁や大手電力会社向けの大型SI案件によって売上を伸ばした日立が前年の3位から1位に順位を上げている。

全分野で二桁台後半のプラス成長を遂げ、ITサービス事業が大幅拡大中であるアクセンチュアも紹介しつつ――。ITサービスベンダーがDXを事業機会として取り込むには、企業のデジタルジャーニーを理解し、事業モデルの転換とビジネスプロセスの変革を急ぐべきだという。IDCのレポートにて同市場の分析結果などは確認できる。