昨今日本では、共働き世帯の増加や高齢化社会の進行などを背景に、ネットショッピングが普及しつつある。買い物の負担を軽減できるネット上のスーパーマーケット(ネットスーパー)は、今後さらなる需要が期待されている。
九州エリアは特に、高齢化の影響で、店舗まで日用品を購入しに行くことに不便や苦労を感じる人が増えていて、ネットスーパーは消費者の悩みを解決する手段として高い期待が寄せられている。一方、顧客への荷量が日によって異なるにもかかわらず、常時、配送車両を一定数確保する必要があり、余分なコストの発生や急な需要の変化に対応できないなど、ビジネス上、配送業務に課題がある。
即日配送や夜間配送に十分な対応ができず、当日の受け取りニーズが高い生鮮食品などにおいては、ネットスーパーの利用が十分に進んでいない状況だという。イオン九州とソフトバンクは今月2日、イオン九州の店舗からの商品配送をICT(情報通信技術)によって効率化することを目指し、物流分野において協業することを発表した。
両社は、"ラストワンマイル配送"を実証中であり、先月から、夜間配送の需要調査としてイオンショッパーズ福岡店(福岡市中央区天神)のネットスーパーの注文品を、日本初となる夜間22~23時を含む時間帯に顧客宅へ配送する実験を行っている。協業の第2段階では、CBcloud社のサービス「PickGo」(YouTube動画)を活用。荷量に応じて必要な時に必要な数だけ車両を手配し、地域の登録ドライバーとマッチングして配送する。
即ち、ネットスーパーの注文品のラストワンマイル配送業務を効率化するシステムの実証実験にも取り組んでいく。需要に応じた配送車両の手配や配送コストの最適化を実現することで、夜間も含めて、顧客ニーズに合わせた配送サービスを行うことをめざす。両社は、今後さらに配送対応時間を拡大して、顧客の利便性アップを図っていく考えだ。