PTP包装の欠陥検出、外観検査装置の機能を強化

調剤薬局で、または市販薬の箱を開けたときにも目にする錠剤やカプセルを包装しているシートをPTP(プレス・スルー・パック)と呼ぶ。それは高い品質を保ちながら消費者のもとに薬が届けられる、透明プラスチックを押せば反対側のアルミが破けて、簡単に一錠ずつ取り出せる仕組みになっている。

一方、製薬会社では、PTP包装シートの生産ラインで錠剤・カプセルを登録する際、形・大きさ・色などの特徴に合わせた品種設定作業が必要で、「設定に時間を要する」、「オペレータの感覚や経験則で設定するため設定値がばらつく」などの課題があったという。東芝デジタルソリューションズは、ラインを流れる包装シートを撮影し、錠剤の欠け、カプセルのへこみ、シートへの異物混入などを高速かつ高精度に検出するシステムを開発――。

さまざまな欠陥を自動検査する同システム「PTP外観検査装置BLISPECTOR®」について、昨年6月に、撮影画像から錠剤・カプセルの形・大きさ・色などの特徴量を自動で検出・測定し、良品・不良品の判定基準値や検査範囲を自動的に登録する「自動品種設定機能」を、透過光検査に適用した。そして今月25日、同システムのさらなる機能強化版の販売を開始した。

今回、検査対象の品種設定をする際の特徴量検出、判定基準値登録などの自動化の適用範囲を拡大。オペレータの作業時間・負担軽減と欠陥検出力の強化を実現する。顧客の要望が多かった反射光検査にも「自動品種設定機能」の適用範囲を広げたことにより、アルミシートでのシール工程前と後での設定自動化が可能となった。

生産ラインのあらゆる箇所に設置した検査装置で作業の効率化と検出力の強化を図れる。上記システムと、「ウェブ外観検査装置M9300」を7月3日~5日、「第21回インターフェックス ジャパン」に出展する。同社は今後も、顧客の生産ラインの品質向上と保守作業の効率化を支援していく構えだ。