スマートシティで次世代医療技術とヘルスケアサービスを開発する

IoT(モノのインターネット)やAIなど、IT(情報技術)が軸の物事および生活のスマート化が進んでいる。昨今それは他の新技術や産業分野、医療や行政のしくみとデータをも巻き込みより一層拡大し、都市と地域の課題を解決する取り組みへと発展しつつある。

「スマートシティ」について、国交省がモデル事業の選定結果を5月末に発表した。先行モデルプロジェクト地区の一つ、千葉県柏市では柏の葉キャンパス駅周辺で「健康長寿」「環境共生」「新産業創造」をテーマに「柏の葉のまちづくり」等が行われていた。同エリアには国立がん研究センター東病院、先端医療開発センターなどのアカデミアや研究機関が集まっている。

次世代の医療技術につながる革新的シーズの実用化には「実証フィールド」が要る。豊富なノウハウに基づき、適切なデータ・検体の質保証や標準化などのサポートが受けられる環境整備が学術の実用化には重要となる。産学医の協働オープンイノベーションの促進、そして疾病の克服には医療と住民コミュニティや街づくりとの連携が求められるという。

国立がん研究センター(NCC)三井不動産みらかホールディングスは、がんの治癒(Cure)と克服(Conquer)="3C"を目指し、柏の葉エリアにおける、次世代医療技術・ヘルスケアサービス開発のための連携及び協力に向けて、基本協定書の締結を行い、今後の具体的な取り組みの内容に関して協議を行うことを6月24日に発表した。

3者はそれぞれの強みを活かし、密接な連携・協力の下、「3Cを目指した研究・技術開発のインキュベーション機能やインフラ整備」、「アカデミア・民間企業に対するコンサルテーションのワンストップ化」、「様々なアカデミア機関や民間企業との連携の構築」を今後整備予定の民間ラボ「三井リンクラボ柏の葉(仮称)」にて行っていく。成果を日本全国、さらには世界に向けて発信、拡大していく構えだ。