学習済みモデル構築ツールにてディープラーニングを容易に

AIが世界トップ級のプロ棋士に勝利した。以来、ディープラーニング(深層学習)は産業や医療分野に活用の幅を広げつつある。画像認識・解析が得意なAIはいずれ社会インフラの一部となり、自動運転でも重要な役割を果たす。が今のAIは予習を必要としている。

クルマやドローン、産業用ロボット、物流倉庫内で省力化に貢献する自律移動台車など、多様な機器に「眼」の機能を付与する。それは動画や静止画から対象物を識別する計算機技術だという。コンピュータビジョンソフトウェア「Rtrilo」を提供するセックは17日、同ソフトウェアで利用可能なディープラーニングモデル構築ツール「Rtrilo Learning Box」の販売を開始した。

Rtriloは、ディープラーニング技術や各種画像処理を組み合わせて、カメラからの動画・静止画より特定の物体や領域を抽出し、高度なロボットの制御を可能にするものであり、ディープラーニング技術の利用では、学習済みモデルを要する。そしてそのモデルを構築するのが今回のツールだという。「Rtrilo Learning Box」を用いれば、複雑な前処理や、ディープラーニングモデルの定義、学習パラメータの調整、性能評価などが容易になる。

様々なプロセスをユーザー自身が簡単に行える。同ツールで構築可能なディープラーニングモデルは、それが何を表しているか識別する「画像分類」と、中に写っている物体を明らかにして識別する「物体検出」。前処理では、「アノテーション(教師データ作成)」「データ分割(訓練/検証/テスト)」「画像増幅(加工・変換)」が行える。

各種パラメータを指定後、コマンドラインで学習プログラムを実行し、損失関数や最適化アルゴリズム、学習率などを自在に変更したり、独自モデルを構築したりも可能。学習曲線、各種指標(適合率、再現率、F値)、混同行列の出力や、誤判定した画像の出力を評価できる。