次世代の郊外、データ循環による住民主体のまちづくりを実証

テレビドラマの舞台となったりして、そこに暮らすことは夢の実現であり、一種のステータスであった。大都市近郊の住宅地は今、少子高齢化という社会的課題に加え、先端技術による時間軸や価値観の変化などを背景に色あせつつあり、まちの魅力や賑わいを取り戻す対策が急務となっている。

6月15日、横浜市東急電鉄NTTドコモおよびNTTは、情報発信・活動拠点「さんかくBASE」を運営するなどして横浜市と東急電鉄が推進する「次世代郊外まちづくり」のモデルエリア、「たまプラーザ駅北側地区」において、地域住民との連携のもと、まちの課題解決やコミュニティ活性化を目的に、新たな取り組みスキームとなる「データ循環型のリビングラボ」に関する共同実証実験を開始する。

同地区に在住・在勤、もしくは同地区で活動している人たちを対象に、来年3月16日まで行う。今回の実証スキームは、まちに関するデータを活用し、地域住民が主体となり、まちの課題解決に向けた取り組みを支援し加速する仕組みであり、実験では、地域住民が設定した地域課題「コミュニティ活性化」に対して、2種のICT(情報通信技術)サービス――「まち歩きサービス」と「地域チャットボット」を提供する。

4者は、上記スキームを通じて住民の関心ごとや活動エリア、まちのイベント情報などのまちに関するデータを収集する。そして、収集データを地域住民と共有し、ワークショップなどに活用することで、ICTサービスの導入に向けた検討・検証を行う。モデル地区においてさらに、データを可視化して共有することで、新たなまちの課題や住民のニーズに気づくきっかけをつくり、地域住民による新たな活動の創出をめざす。

この度の実験開始にあたり15日(土曜)、多くの人の参加促進を目的として、地域住民向けのキックオフイベントを実施し、概要を説明するとともに、実際にICTサービスを体験できる機会を設けるという。