企業・団体のビッグデータ活用を支援する、イノベーションラボ始動

ディープラーニングをはじめとする人工知能(AI)など、先進的な情報技術(IT)の利用シーンが拡大している。近ごろ世界では、インターネットを通じて蓄積された行動履歴や取引履歴などのパーソナルな情報に限らず、多種多様なデータをビジネスに活用する動きが注目されている。

しかし日本では現状、膨大な情報/ビッグデータを活用できる体制が整備されている企業は全体の12%、ディープラーニングといった高度なデータの処理・解析ができる体制が整備されている企業の割合はさらに低く、わずか9%である(引用:経済産業研究所論文)。この背景には、データサイエンス分野における人材不足や、実作業を行うシステムエンジニア不足などがあるという。

GMO-PGは'14年からIT-Oneと協業――。決済・金融関連領域におけるAIをはじめとしたデータテクノロジーのビジネスへの適用について、共同で研究開発を行っていて、この研究開発の過程で培った数々の実証実験のノウハウや知見を広く活用するべく、IT-Oneと共に企業・団体のビッグデータ活用を支援する「データイノベーションラボ」を立ち上げ、そのサービス提供を今月7日に開始した。

同ラボでは、ビッグデータ活用ソリューションの概念検証(PoC)を支援するしくみを軸にサービスを提供する。顧客は、大型の投資を要する開発段階に移行する前に実用性・実現性を検証することで、データサイエンス分野の人材やシステムエンジニアが少ない企業・団体であっても、適切な開発リソースでの投資が実現し、自らの保有データを活用した新たなソリューションの開発が可能になる。

ビッグデータ分析の設計から実際の分析・検証まで行う。同ラボにおいて、まずはGMO-PGの決済・金融関連サービスユーザであるEC事業者と金融機関向けにサービス提供する。両社はこれからも、新たな価値の創造とさらなる技術革新の創出に取り組んでいくという。