製造現場のみならずビルや倉庫でも、自動化用の基盤装置として使用されている。制御盤、受電盤、配電盤、動力盤など、"盤"の故障には様々な要因があり、最終的には盤内機器の温度上昇が、設備の異常停止につながる。
ゆえに熟練の保全員がサーモグラフィー等の温度監視用機器を用いて、盤内の温度データを収集・解析し、設備異常の傾向を把握している。が近年、設備の高機能化に伴い、盤内の機器点数や配線が増加し点検個所が増えている。一方で、少子高齢化などの社会的課題を背景にした保全員の不足により、点検頻度が低下――。事故発生のリスクが上昇しているという。
オムロンは、製造現場の異常状態を人に代わって監視する「状態監視機器」の新シリーズとして、まず温度状態監視機器「K6PM-TH」を6月3日に発売。IoT保全の新時代を拓く、今回の製品は、各種盤内機器の温度を先進的なしくみである"モノのインターネット"により常時遠隔監視し、独自のアルゴリズムで異常発熱を予測することで、設備や装置の異常停止リスクの低減と省人化を両立する。
盤内に設置した非接触温度センサーで工場内のあらゆる盤の温度を常時監視し、蓄積したデータを自動解析することにより、将来の到達温度を予測し、早期異常検出に貢献する。K6PM-THは、「少ないセンサー数による遠隔監視で省人化・点検工数削減」、「自動分析判断可能な専用ツールを活用したスキルレス」といった特長を備えていて、保全工数も削減する。
新時代の保全スタイルを提案する同社は、「インテグレーテッド」「インテリジェント」「インタラクティブ」からなる戦略コンセプト"i-Automation!"のもと、ものづくり現場の革新に取り組んでいく。「状態監視機器」ラインアップの拡充によって、同コンセプト実現の鍵となる「インテリジェント」を顧客と共に加速させ、製造現場の生産性と品質を飛躍的に向上させていく構えだ。