AIベースのFAQシステム、日本語を十分理解し問合わせ件数を削減

昨今金融業界では、制度改正や各種規制、インバウンドやデジタル領域における役務の追加等により、業務や手続きがますます複雑化している。複雑化する業務に対し、事務規程の改訂や手続きの見直しが発生し、営業店から本部への問い合わせも増加している。

問い合わせ対応の負担軽減は、金融機関共通の課題になっているという。NTTデータは、人工知能(AI)を用いたFAQシステム「CONTIMIXE® AI」を5月27日に提供開始。これを中央労働金庫に導入していることを発表した。CONTIMIXE AI(FAQ)は、NTTグループの「corevo®」で日本語の意味を理解して検索を実施――AIを用いていない一般的なキーワード検索に比べ、6割以上検索ヒット率が高くなるという。

それに合わせて、検索結果から追加すべき質問や、欲しい回答かどうかフィードバックすることで、定期的に質疑応答(QA)データの精度向上を実施することもできる。実際の利用者である金融機関へのヒアリングや実証実験を基に、利用者が「簡単に」「早く」調べられる検索画面を用意することで利用率向上につなげる。ほかに、オプションとして、QAデータ作成支援メニューが用意されている。

定常的に問い合わせの多い業務に対するQAに限らず、新規システム導入時などの一時的に急増する問い合わせ、1年に1度など定例作業への問い合わせ、合併・統廃合時の問い合わせなど、さまざまなQAの登録が可能となる。同サービスを問い合わせ元である営業店等で利用し、回答まで完結することで、本部への問い合わせ件数の削減を実現するという。

CONTIMIXE AI(FAQ)を'21年までに20金融機関へ導入することをめざしている。NTTデータは、今後このサービスを通じて金融業務効率化に貢献するとともに、AIやクラウドを用いて金融機関のデジタルトランスフォーメーションを支援していく構えだ。