鎌倉にて、行政×デジタル技術によりオーバーツーリズムを解消する

昨今、世界中の人気観光地でオーバーツーリズムが問題となっている。その地のキャパを超える数の旅行者が押しかけ、環境や景観、地域住民の生活や文化に悪影響を及ぼす、それは「観光公害」ともいわれ、国際連合機関がガイドラインを提示する事態となっている。

「持続可能な観光」の概念等について国土交通省が資料(PDF)を公開している。日本におけるオーバーツーリズムの実態については、度々ニュース番組等で報じられている、江ノ電は鎌倉高校前駅あたりの様子でその一端が垣間見える。今月23日、デジタルガレージ鎌倉市unerry昭文社の4者は、オーバーツーリズムの解消に向け、観光客の行動を分析して可視化し、動態情報を取得する調査の実施に関する協定を締結した。

今回の調査は、鎌倉市が目標とする「パブリックテック」すなわちテクノロジーを活用して社会課題を解決する取り組みの一環。かつ、国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち、「8 働きがいも経済成長も」と「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」を軸として、派生する「11 住み続けられるまちづくりを」、「12 つくる責任つかう責任」、「17 パートナーシップで目標を達成しよう」の実現につながる取り組みとなる。

パブリテックとは、公共(Public)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、AI(人工知能)、ディープラーニング(深層学習)、ブロックチェーン等の先端IT(情報技術)を用いて社会課題を解決することを指すという。鎌倉市ではその取り組みについて、市政情報>行財政改革Webページ下で公開するとともに、行政へのテクノロジの活用により、行政のデジタル化、社会・地域のスマート化、共生社会の実現をめざしている。

そしてDG、unerry、昭文社の3社は、鎌倉市が抱える社会課題の解決に向け、各社連携のうえ、ノウハウを提供していく構えだ。