スマートオフィスを実現する、5Gベースのしくみを実証

2時間の動画がたった3秒でダウンロードできる。街にあふれるコネクテッドカーや自動運転車、スマホ、IoTデバイス、ドローン、産業用ロボットおよび多彩な設備機器とも滞りなく通信ができる。超高速、低遅延、多数同時接続が可能な次世代移動通信(5G)時代の幕がまもなく開ける。

今月23日、WCPソフトバンクは、総務省の「平成30年度 高密度に展開された端末の多数同時接続通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討の請負」(参考資料PDF)で、東広島市シャープイトーキ情報通信研究機構と協力して、東広島市役所で5Gシステムを活用したスマートオフィスの実現に向けた実証試験を行ったことを公表した。

実証試験では、同市役所内で働く人の体調や職場環境の状態を把握するために、心拍や脈拍などの体調情報を計測する圧力センサーを搭載したスマートチェアや、温度や湿度などの職場環境情報を計測する環境センサーを執務室に多数設置。5GやBluetooth®、無線LANなどのさまざまな通信技術を活用して「5Gヘテロジニアスネットワーク」を構築――。

5Gの特長の一つとされる多数同時接続の要素技術「NOMA(Non-orthogonal Multiple Access)」および「グラントフリーアクセス」を実装した5G-mMTC(大規模マシンタイプ通信)無線機の試験用試作機で、各データを収集した。また、脈波検出技術を用いたストレスセンサーでのストレスの測定や、8Kディスプレーを使用した会議システムなどを用いた試験も実施した。

結果、高密度にセンサーを設置した環境で、働く人の体調情報や職場環境情報のデータをリアルタイムに収集して、体調や職場環境の状態、ストレスの変化など客観的に測定できることを確認した。これにより、各データを解析することで、労働環境の管理・改善に役立てることが期待されるという。