大気の質と花粉データ、車の位置に応じてリアルタイム表示

スギやヒノキと聞いただけで目が痒くなり、くしゃみが出そうになる。花粉症は日本のみならず、欧州のカモガヤ(イネ科)、北米のブタクサによる有病率も高い。また、かつての日本がそうであったように、排気ガス等による大気汚染が深刻な国も世界には少なくない。

WHO(世界保健機関)によると、「世界人口の91%は大気の質がWHOガイドライン上限値超の場所に住んでいる」(大気汚染Webページ訳)。その大きな要因は、特に都市部における自動車の多さだという。ACCESS(東京都千代田区)は今月21日、世界中の大気質と花粉データを位置情報と連動して提供するイスラエルのBreezoMete社との協業を発表した。

今回の協業により、同社は、BreezoMeterの大気質・花粉データサービスを車載向けマルチメディアコンテンツ共有ソリューション「ACCESS Twine™ 4Car」の一機能として提供していく。この統合ソリューションを利用する自動車メーカーは、走行中の位置情報に連動した高精度な大気質データやリアルタイムの花粉データを提供できるようになり、ドライバーや同乗者は、より健康的なルートや目的地を選ぶことが可能になるという。

「ドライバーは、走行環境をコントロールして外気に存在する有害な汚染物質への暴露を低減できるため、自身や同乗者の健康を守れる」とする一方、「大気質は、国際的な健康に関する議論において重要なテーマになっている。自動車メーカーはドライバーを支援しうる立場にあり、両社は共同で、世界中のドライバーがいっそう健康的な走行環境の中で通勤や旅行ができるように支援していく」とACCESS欧州CEOがいう。

両社は、位置情報連動型の大気質データを消費者が日常的に利用している車載インフォテイメントシステムに組み込むことで、最短距離ルート等に加えて、より健康的なルートを提供することが可能になると考えている。