日本の物流プラットフォーム、インドネシアでその有用性を実証

日本のB2C物販系Eコマース(電子商取引)市場は'17年度に8兆6千億円。他方、国土面積が日本の5倍で、年齢中央値28.3歳の2億6千万人が暮らすインドネシアは、'18年のECサイトの取扱高総計がおよそ4兆円と推定されている。

インドネシアのインターネット利用はまだ大きく伸び代がある。最低賃金も継続的に上昇し、実質的な生活水準もあがってきている。人口増、若年層の厚み、購買力の向上、ネット/モバイル利用の成長といった諸条件が揃っていて、電子商取引市場が飛躍的に拡大している。現地でのヒアリングによると、中小のEC販売事業者(セラー)が全国に4~500万社いるという。

オープンロジ(東京都港区)は、世界第4位の人口を持ちEC市場の成長著しいインドネシアに社員を派遣し、同地にて実施したEC事業者と物流事業者を結ぶ物流プラットフォーム実証実験の結果を、今月15日発表した。同実験はJETRO から「日ASEAN新産業創出実証事業」に採択され、昨年4月より約1年間実施したプロジェクトであり、次の3項目を軸にしたものだ。

1.EC物流を取り巻く市場環境の調査:現地ECセラー約40店舗へのインタビュー調査を実施
2.配送事業者および大手ECサイトとのシステム連携:3つの現地サービスと連携
3.オープンロジのシステムを活用した物流実験:3か所の現地倉庫と提携し約400件を出荷

中小EC事業者は面倒な物流業務を簡単にアウトソースでき、提携倉庫は遊休スペースを活用して中小EC事業者の物流業務を効率よく行える。しくみを実地検証した結果、約400件の出庫を無事故で終え、日本で培ったサービスの有用性を証明。現地の物流アウトソーシング市場は未成熟な一方、ECの拡大や地理的要因から成長性が高いことがわかったという。実証事業報告書(PDF)をまとめた同社は、JETRO・経産省とともに現地政府へ政策提言を行った。