超スマート社会の実現に資する電子部品とは

それは第5期科学技術基本計画において、我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の超スマート社会。

Society 5.0(参考:内閣府Web)では、IoTで人とモノがつながることであらゆる情報を共有し、AIなどにより必要な情報を見つけて分析し、ドローンや車両、無人ロボットなどを自動制御することであらゆる課題の解決が期待される。今まさにIoTやロボット、AI、ビッグデータといった新技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していくソサエティの実現に向けて、準備が進められているという。

富士キメラ総研は、「Society 5.0」の実現に関する電子部品の世界市場を調査。その結果を「Society 5.0時代の注目電子部品 2019」にまとめた。同調査ではSociety 5.0関連市場として通信デバイス関連6品目、センサー関連9品目、給電/エナジーハーベスト関連5品目、受動部品関連7品目、基板関連8品目、制御デバイス関連4品目の電子部品を取り上げ、市場の現状を捉え、将来を展望したという。

世界市場の2025年予測(2017年比)は以下の通りだ。
■Society 5.0関連市場 16兆9,528億円(58.9%増)
■通信デバイス関連市場 3兆2,505億円(2.7倍) スマートフォンの5G対応により5G関連製品の大幅な伸長が期待される
■LPWAチップ 6,300億円(572.7倍) インフラモニタリングやスマートファクトリーの実現に向け、需要が増加

給電/エナジーハーベスト関連市場はいま黎明期にあり、規模が小さいけれど、これからはワイヤレス給電モジュール(電気自動車)の普及による急激な拡大が期待されるという。