明るさを背にARの演出もできるスマートウィンドウ

昨今は駅や空港、商業施設、イベント会場などにおいて、拡張現実(AR)をはじめとするデジタル技術を駆使した空間演出や、アバターと呼ばれるバーチャルキャラクターに案内や来場者らとのコミュニケーションをさせるしくみが注目され、人気も博している。

それら空間演出やアバター、あるいは広告などの舞台となる透明スクリーンのニーズが高まりつつある。けれども、透明スクリーンだけでは、背景が明るい場合にスクリーンの画像と背景が重なってしまい充分な画質が得られないという。DNPは、明るい空間でもクリアな映像が表示でき、ARの演出も可能な透明スクリーンの新製品「Smart Display Window」を開発した。

透明度が高く、奥の背景が見通せる「透明スクリーン」と、電圧のオン/オフで明暗を瞬時に切り替えて、透過する光をコントロールする「調光フィルム」を一体化したという。同製品では、背景が明るくてもクリアな映像表現が可能であり、電気で駆動する調光フィルムによって、光を透過させる場合にスクリーンの背景にある景色を見せたり、遮光に切り替えて背景を消し、スクリーンに投影する映像をくっきり見せたりできる。

そうした機能を活かすことで、背景として見える実際の空間と、CGや説明用のテキスト、動画や静止画などを組み合わせて、ARの演出を施したさまざまなコンテンツを表示することができる。「Smart Display Window」は、ニーズにあわせて、複数の透明スクリーンをタイル状につなぎ合わせる「タイリング」を行い、大型化することも可能だ。

その実力を米国西海岸でSID日本支部Webサイト)が主催しているディスプレイ学会「Display Week 2019」(5月14日~16日、サンノゼ)で披露する。DNPは今後、プロジェクターメーカーとの協業などによって、今回の新製品を販売していく予定だという。