そこが実験室になる、手のひらサイズの吸光度計に明治以来の技術が

大がかりな実験室で行う細菌の濁度測定、タンパク質の定量(BCA法、Brandford法)、抗酸化活性測定、アミノ酸の測定(ニンヒドリン法)、グルコースの定量、環境水分析、重金属の分析――。

分析機器における技術課題は、「いかにコンパクトに高性能な機器を実現するか?」だという。ウシオ電機は、九州大学との研究成果「シリコーン・オプティカル・テクノロジ(SOT)」――ノイズとなる散乱光や迷光を取り除き、直進光だけを取り出せる技術を用いることで、"どこでも実験室、あなただけの吸光度計"にて、光学系部分を特殊な加工を施したシリコーン樹脂で形成し、コンパクト、低コスト、かつ非常に高い迷光除去を実現している。

そして4月1日、同社は、明治22年(1889年)以来「研究開発及び生産技術の革新を支援し、科学技術の進歩発展に貢献する」を基本理念とし、理科学機器・試験研究設備・分析計測機器・産業試験検査機器・医療機器のメーカーとして、研究開発やものづくりに必要な高度先端機器を取り扱う商社としても国内外で積極的な事業展開を行っているヤマト科学と、分析・センシング分野における業務提携の契約を締結した。

今回の提携で、ウシオは、迷光や散乱ノイズを除去する光学空間フィルター技術SOTを搭載した商品開発を強化し、ヤマト科学は、その共同ブランド商品を自社商品ラインナップに加えることで、さらなる販売力強化と事業拡大を目指すという。ウシオはSOT搭載の小型吸光度計「PiCOEXPLORER」を共同ブランド商品第一弾として開発し、ヤマト科学はこれを6月下旬から全国販売を開始する予定だ。

検量線を自身でいくつでも作成できるため、1台で複数項目測定が可能であり、チューブのまま計測できるので手間を大幅に削減している。吸光度計ピコスコープ、手のひらサイズの小型吸光度計は、「PiCOEXPLORER」にブランド統一される。