高性能eバイクシェアサービス事業に出資、都市型MaaSを加速する

近ごろ世界各国の都市圏では、二酸化炭素の排出と交通渋滞が社会問題となっている。そのため新たな移動手段として、自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の移動の足となる「マイクロモビリティ」の活用に期待が寄せられているという。

デンソーは5月2日、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)開発を加速させるため、米国Bond Mobility社に出資したことを公表した。Bond Mobilityは現在、スイスのチューリッヒ市とベルン市にて、シェア自転車やシェア電動スクーターよりも高いユーザ満足度が得られるスポーツタイプの電動アシスト付自転車――最高時速45kmの高機能型eバイク「smide」のシェアサービス事業を展開している。

より安心・安全で快適なモビリティ社会の実現に向け、コネクティッド分野を技術開発の注力分野とし、MaaSの実現に貢献するクラウド技術や車載技術など、要素技術の開発を行っている。デンソーは、MaaS領域において、国内外の戦略的パートナーシップを積極的に進めることで、サービス事業者のニーズや課題の把握を行い、市場ニーズ先行型の事業開発を推進しているという。

同社は今回の出資を通じて、乗用車だけでなく2輪車なども活用した総合的な都市型MaaSにおけるニーズや課題を抽出し、技術開発をさらに加速させる構えであり、出資を受けるBond Mobilityは、欧米でシェアサービス事業を拡大していくとともに、外部サービスとの連携や、車両配置および台数の最適化を進め、都市環境におけるマイクロモビリティシェアの新ビジネスモデルを構築し、利便性向上と利用者の拡大に取り組んでいくという。

デンソーは今後も、クルマに乗る人だけでなく、クルマを持たない人にも、安心・安全で便利な移動手段の提供を目指し、国内外の仲間作りに積極的に取り組むことで、MaaSの実現に貢献していく考えだ。