近所の工事情報と、渋滞予測や迂回ルートがスマホに届く
道路の補修工事は安全と利便性を確保するためにも絶対に必要なものである。科学技術が高度に発達した文明国の証である、と頭でわかっていても、大規模な工事ともなれば渋滞が発生するし、いつ終わるとも知れず、ドライバーはそこを通る度に思わず舌打ちしてしまう。
そんな状況を改善すべく――。NEXCO中日本、KDDI、KDDI総合研究所の3社は、5月17日~7月19日、スマートフォンの位置情報を活用したより効果的な工事情報の提供に向けた実証実験を行う。同実験は、小田原厚木道路リニューアル工事期間中の渋滞が予測される時間帯に、工事の影響を受ける可能性の高い地域(東京都・神奈川県・埼玉県)に住んでいるauスマホユーザーに、アプリで工事情報を配信するものだという。
配信する渋滞予測や迂回ルートの案内など、画面のデザインについて、KDDI総合研究所が持つ行動変容技術(過去の適用例)を活用し、ユーザーにとって有益な情報となるよう様々な工夫を凝らした複数パターン作成し、配信する。さらに工事区間や渋滞時間帯を避けたユーザーの行動変化を、一定期間後のアンケートとともに分析する。
ユーザーがそれを承諾してKDDIが保有する、auスマホの位置情報を用いた分析によって、どの画面パターンが工事規制によるドライバー(スマホユーザー)への影響を最小化することができたか――その効果を検証し、渋滞緩和に有効な情報提供を検討する。今回の対象は、「E85 小田原厚木道路リニューアル工事」(詳細情報)。
老朽化した高架橋のコンクリート床版を一新するための、①平塚本線料金所から大磯IC間で昼夜連続・対面通行規制、②小田原西ICの箱根方面から厚木方面へ向かうランプウェイ閉鎖、③小田原東ICから荻窪IC間で昼夜連続・車線規制を行う工事を機に、実証実験を行い、その他のリニューアル工事については、上記検証結果を踏まえて活用を検討していくという。