国内企業はハイブリッドクラウドでコスト最適化、セキュリティ強化も

ネット越しに他の組織とIT基盤・リソースを共有、アプリサービス等を共用するパブリッククラウドが普及した。一方で、専用IT基盤を閉域網内で利用するプライベートクラウドの需要も底堅く、それらを併用するハイブリッドなニーズも企業にはある。

ハイブリッドクラウドを「複数のクラウドサービスやプライベートクラウドなどを連携し、統合的に運用管理すること」と定義したIDC Japanは4月24日、国内ハイブリッドクラウドインフラストラクチャ利用動向の調査結果を発表した。今年2月に実施した同調査では、国内企業/組織におけるITインフラ導入の意思決定や導入プロセスに関与する人にアンケートを行い、349の有効回答を得たという。

その結果、「ITインフラコストの最適化」「セキュリティの強化」「運用管理コストの最適化」「統合的な運用管理の実現」がハイブリッドクラウド構築での重点であり、セキュリティ強化、運用管理も含めたIT基盤コストの最適化を重要視していることがわかった。これらに次いで「ビジネスニーズへの迅速な対応」が、特に大企業や中堅企業で、デジタル変革(DX)や事業機会の拡大などを背景に重視されているという。

今後利用を増やす各ITインフラにおいて、パブリッククラウドの意向は高いものの、「ERM」「データベース」「電子メール/グループウェア」「ファイルサーバー」といった可能性の高いワークロードを実際にそこへ移すとの回答は少なかった。一方で、パブリッククラウドユーザーのうち、共用サービスを自らの構内IT基盤へ移す予定ありと答えた人は8割弱――セキュリティの向上、容易な導入、PaaS機能の統合提供、運用管理負担の軽減などがその条件に挙げられていた。

再評価の進むオンプレミスITインフラでもパブリッククラウドサービスに近い使い勝手や機能が求められているという。最新国内事情の詳細は、IDCレポートで確認できる。