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スマホで働き方改革、日常の使い方でその日の集中力を推定する
一億総活躍社会の具現化をめざす、日本のあらゆる組織で「働き方改革」、長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現が求められている。そのためには働く人の意識改革、非効率な勤務の見直し、集中力の向上が重要である。
現在、人の集中力の客観的な計測方法として、Go/NoGo課題(判断の速さと正確さ)のように、認知的コントロール機能を計測する検査が知られている。けれども実際の労働環境において、定期的にそれを実施し集中力を評価することは現実的ではないという。NTTドコモは、慶應義塾大学心理学研究室、東京大学人工物工学研究センターとともに、スマートフォンの日常的な使い方から持ち主の集中力を推定できる技術を開発した。
同技術は、加速度センサ、位置情報、アプリ利用履歴など、本人許諾の下でスマホの日常的な使い方から得られるデータから、約250種類の特徴量を数値化して、AI(人工知能)が持ち主の集中力を推定する。たとえば集中力が低い時、持ち主の身体の動きが多くなったり、普段よりも画面を見る回数が増加したりしやすく、これらの変化を観察することで自己診断できる。
トラックやバスの運転手は、前日までの使い方から当日の集中力が低下する可能性を把握し、自身が適切に休憩を取ることで業務パフォーマンスの向上に努められる。また、企業・団体でも、就業者自身が集中力を可視化し理解することにより、働く一人ひとりの意識改革や非効率な勤務状況の見直しが図れる。
さらに、適度なストレスは集中力を高める効果がある(参考資料:厚労省PDF)。ゆえに昨年3月に開発したストレス推定技術と今回の技術を組み合わせ、ストレスと集中力の状態から、人にかかるストレスが適切なものなのかを読み解ける技術の開発を企画している。ドコモは、今般の共同研究成果のさらなる検証と実用化に取り組むことで、より働きやすい社会と安全な労働環境の実現をめざしていく構えだ。