第5期科学技術基本計画で提唱された日本の「超スマート社会」は、あらゆるモノがネットにつながるIoTやAI(人工知能)、小型無人機ドローンなどの先進技術を活用することによって実現される。
内閣府広報Web「ソサエティ5.0」によれば、それはいつもの毎日にやってくる半歩先の未来であり、モノの運搬や測量のみならず、災害救助といった幅広い領域での活用が、世界中で進みつつある。今月8日、産業用ドローンによる業務の完全自動化をめざすセンシンロボティクス社は、フジタの建設現場にて、ドローンを活用した「建設現場における安全確認・警備監視」の実運用に向けた実証実験を行ったことを公表した。
2月28日~3月8日に福井県敦賀市の北陸新幹線車両基地工事現場にて、完全自動運用型ドローンシステム「SENSYN DRONE HUB」の4つの基本機能――ハッチ開閉、自動離発着、自動充電、データ転送の挙動および精度を試験し、同システムの有効性を確認した。結果、「今後も実証実験を繰り返しさらに実用化が進むことを期待する」とのフィードバックを受けた。
ドローン機体、自動離発着や自動充電に対応する基地、制御ソフトウェア・業務アプリケーションが一体となったしくみであり、事前設定されたルートへの自動飛行や、画像・映像の撮影ができる。そのため、大規模工場の警備監視や設備点検などにおいて、作業員が都度現地に赴く必要がなくなり、効率的かつ安全な業務遂行が可能となる。
システムについて同社は、現状でも「SENSYN FLIGHT CORE」や「SENSYN DC」との機能連携により、定時刻にミッションを繰り返し実行するスケジューリング、遠隔地からのカメラ操作ができるとした。そのうえで、各種業務特化型アプリとの連携によって詳細な解析を実行するなど、ドローンの自動運用に必要な機能のさらなる拡充を図り、高度な情報処理も実現していくという。