医療材料の流れをRFIDで可視化するIoTプラットフォーム始動

ガーゼや注射針、カテーテル、滅菌ドレープ、各種チューブや尿バッグなど、医療材料の販売代理店・特約店は、使用期限のあるそれらを医療機関に預け置いているメーカーに代わって、在庫管理を行っている。医療機関を定期訪問し、預託商品の使用状況を確認する必要がある。

そこでは、電話やメール等によるメーカーへの発注業務で多くの時間を費やしている。ほかに、手作業による預託商品の棚卸し負担や、過剰在庫の増加、滅菌期限切れによる機会損失、廃棄等による物流費用増加などの課題もあり、作業方法の見直しや業務効率化が求められているという。NTTデータは、RFIDタグにて商品の物流および使用状況を可視化した医療材料IoTプラットフォーム「MD-TraC™」を4月1日に提供開始する。

医療材料トレーサビリティの実証実験を昨年3月11月に行い、その有用性を評価した結果この度の発表に至ったという。同プラットフォームは、循環器、消化器、整形外科領域の医療材料にRFIDタグを貼付し個体識別IDを記録することで、医療材料の物流情報、利用情報を一元的に管理し、医療機関外からの在庫/使用状況のリアルタイム確認を可能にする。

Webブラウザやスマホで状況確認、複数の販売形態に対応、データ抽出もできるといった特長を備えていて、預託在庫および滅菌期限切れによる廃棄ロスの削減、販売代理店・特約店の受発注業務や商品確認の迅速・効率化をサポートする。今後は、メーカー、販売代理店・特約店における医療材料の不活性在庫・過剰在庫の解消、請求・発注業務の軽減、保険請求漏れの防止も視野に――。

同社は医療業界全体を支援するソリューションを提供。NTTグループとしても、医療材料の使用実績と患者情報を紐付けて、医療機関内での業務の効率化やアウトカム分析等にも利用できるサービスを検討するなど、医療業界全体で共同利用可能な基盤の実現を目指していくという。