エッジとクラウド間の連携が実現するIoT機密データの保全

PoC中心だったIoTシステムの検討は、ようやくミッションクリティカルな環境における検討に移りつつある。機械から発生するデータや環境データ、画像データなど顧客が持つ様々な情報資産を集約・一元管理することで、様々な事象における相関関係の把握、情報の統合、IoTデータのKPI化など、実ビジネスで使える形での検討が本格的に始まっている。

しかし、そのように重要性が増す様々なIoTデータや、そこから導き出される経営データを効果的に守る手法は、ネットワーク上での対策や暗号化対策など、レガシーなセキュリティに依存せざるを得ないのが現状だ。

そうした中、ユニバーサルIoTプラットフォーム「センサーコーパス」を提供するインフォコーパスと、データの無意味化により「情報の安全」を実現する「ZENMU(ゼンム)」を展開するZenmuTechはIoT分野における非構造化データや経営情報のセキュリティ強化に向けて、共同製品開発に向けた業務提携を行ったことを発表した。

インフォコーパスが提供するセンサーコーパスは、業種や目的を限定せず、またセンサーや機械の種類に関係なくIoTデータの収集・蓄積・活用ができるユニバーサルIoTプラットフォーム。PoCから大規模IoTシステムまで柔軟に拡張でき、様々なアプリケーションとの連携が可能だ。

ZenmuTechが提供するデータ無意味化ソリューションであるZENMUは、AONT(All-or-Nothing Transform)方式の秘密分散技術を用いて、情報を意味のない状態に変換、分割(無意味化)し分散管理する。万が一、分散片の1つが盗まれても一部の情報を推測することさえ不可能な状態にでき、全ての分散片が揃ってはじめて元の情報に復元可能となる。

今回の業務提携による最初の共同プロジェクトとして、両社のテクノロジーの融合により、IoT分野におけるエッジ側に格納された画像などの大容量・非構造化データや、クラウド側で処理され格納される製造KPIなど経営上の重要データを安全に分散して管理し、必要に応じて利用可能にする製品の開発を行っていく。

これにより、エッジ側に格納されている大容量の画像・動画データや、クラウド上に格納されている経営データを、秘密分散技術により無意味化、断片ファイルを効果的に管理することでセキュリティ上のリスクを大幅に軽減できるという。