内部事務の効率化、諸手続インターフェースのオンライン化を進めてきた「電子政府」から、これをさらに発展させた「デジタル・ガバメント」へ――地方公共団体や企業も含めてデータ連携とサービスの融合を実現する、取り組みが始まっている。
中央省庁間の壁、国と地方の垣根、行政と民間の敷居を越えてIT(情報技術)のしくみやデータを活用する、「デジタル・ガバメント実行計画」は昨年閣議決定され、政府CIOポータルにその資料(PDF)が開示されている。現状ではたとえば、自治体等と金融機関は日々数多くの情報授受を実施しているものの、その運用が非効率であるなどの課題を抱えている。
税公金納付や生活保護給付の公正性を保つため、自治体は金融機関に預貯金状況を問い合わせる。その調査依頼書の様式が自治体ごとに異なっているうえに、依頼書の郵送料、作業の手間等が双方で大きな負担になっている。また、多くの自治体が振込など金融機関とのデータ授受に使用している、INSネット回線デジタル通信モードは'24年1月に廃止されるため、その後継通信手段の選定、準備、対応なども必要だという。
埼玉りそな銀行、AGS、NTTデータは、埼玉県下の自治体等と金融機関における取引のデジタル化推進で協業する。指定金融機関として振込データ等の授受を「パソコンサービス」で提供、県下59の自治体にLGWAN-ASP電子納品サービスを提供、官公庁及び金融機関での豊富な情報システム開発・運用実績に加えAnserDATAPORT®などの提供実績もある、各社の強みを活かして、行政サービスの効率化と最適化をめざす。
協業の第一弾では、'19年度上期をめどに一部自治体の協力のもと、預貯金等照会業務でpipitLINQ™を活用した試行運用を行う。首都圏で初となる試みの他でも3社が連携して、「デジタル・ガバメント実行計画」個別サービス改革の実現に貢献していくという。