安野モヨコ氏の「オチビサン」とコラボするAIチャットボット、鎌倉市が導入

2020年の訪日観光客数4000万人を、2030年には6000万人を目指すなど「観光立国」の実現に向けて取り組みが進められている日本。多様化する観光客のニーズに対応するため、観光業界ではAI(人工知能)の導入が進んでいる。関東でも有数の観光スポットである鎌倉市もAIを活用して観光客の誘致に積極的な地域だ。

神奈川県鎌倉市と鎌倉市観光協会とが連携して運営する観光情報サイト「鎌倉観光公式ガイド」は、ユーザーローカルのAIを活用した自動応答システムである「サポートチャットボットの提供を開始した。ユーザーローカルによると、観光サイトでのAIチャットボットの導入は神奈川県内では初めてとなるという。

今回導入されたAIチャットボットでは、漫画家の安野モヨコ氏のキャラクター「オチビサン」が起用されている。

近年、鎌倉市では「オーバーツーリズム」と呼ばれる「地域の許容量を超えた観光客の流入」による課題が顕在化しており、鎌倉市と鎌倉市観光協会は、比較的観光客の集中が少ない地域の魅力の発信など、集中を分散させるための施策を実施してきた。

2者は2019年3月、情報発信力を強化して施策の効果を拡大させて「オーバーツーリズム」の解消を図るために、新しい観光サイトである鎌倉観光公式ガイドを公開した。鎌倉観光公式ガイドでは、鎌倉市の広報活動に協力されているオチビサンのAIチャットボットとの会話を楽しみながら観光情報を調べることができる。

サポートチャットボットは、60億件を超えるSNS上の会話データの分析に基づく高度な自然言語処理技術と、テキスト解析の精度向上に特化した独自開発のAIを活用していることで、高品質な会話を可能にするシステム。導入に当たっては、自治体のWebサイトを管理するシステム(CMS)を提供している福泉が担当した。