乗りたいときに乗りたいところで簡単予約、AI運行バスがやって来る

少年少女が経験する。成長とともに徒歩から自転車、バイク、自動車へと移動手段が変化していき、それに連れて視野や行動、交際範囲が広がっていくことを。そんな移動手段の概念を「保有から利用へ」と転換するサービス、「MaaS」が様々な場面で注目されている。

近年、過疎地域のみならず都市部でも、坂が多いことなどによる交通弱者が問題となっている。訪日客4,000万人の迎え入れをめざす日本の観光地や、商業施設では、公共交通機関が多くのお客にとって利用しづらいものになっているかもしれない。観光や生活における多様な移動に関する社会課題に対して、鉄道やバスなども用いて利便性と効率性を高めるMaaS(サービスとしての移動手段)が、その解決の一助になるという。

さらに商業施設のサービスを、MaaSプラットフォームに統合すれば、交通需要増と施設の売上アップにもつなげられるという。NTTドコモは4月1日、人工知能を活用したオンデマンド交通システム「AI運行バス®」を全国で提供開始する。あわせて、一昨年から取り組んでいる"スマートモビリティ推進コンソーシアム"の一環として、その商用提供を九州大学伊都キャンパスにて始める。

「AI運行バス」は、乗りたいときに行きたい場所まで、自由に移動できる交通システムであり、リアルタイムに発生する乗降リクエストに対して、AIが膨大な数の中から効率的な車両・ルート(乗り合せる組合せ)を即時算出する。お客がスマホアプリや電話で予約すればAIが車両を手配する、しくみにより、ユーザーにとって効率的な移動を実現する。

ドコモは、2年前より未来シェア社と同プラットフォームの実証実験を積み重ね、様々な地で延べ9万人を輸送。一定の品質及び性能が得られたという。今回、「AI運行バス」の提供により、移動利便性向上と地域経済活性化などに貢献。これを'20年度末までに100エリアに導入していく構えだ。