スマートホスピタルを実現する、一歩目は看護業務のICT効率化

AIやIoTなどの先端ICT(情報通信技術)を積極的に活用して、病院のしくみやサービス、医療・看護業務をデジタル転換する。スマートホスピタル構想が近年、国内外で提案され、進展し始めている。

戦略的イノベーション創造プログラムにてAIホスピタルの研究開発計画(内閣府PDF)が提出された、日本において現在、看護師は、日々患者の対応、医師、メディカルスタッフ、医療事務との連携など重要な役割を担い、膨大な業務をこなしている。それらを効率的に進めるうえでは看護師同士の円滑な業務連携が鍵になるという。順天堂大学と、ソフトバンクは、スマートホスピタルの実現に向けて連携する。

両者は、順天堂医院におけるスマートホスピタルの様々な実証実験を始める。取り組みの第1段階として今月14日、Bluetooth® meshネットワーク(WHERE社製)を日本で初めて院内に構築し、看護師の働き方改革を支援するソリューションの開発・検証を行うと発表した。今回、看護師がモバイル端末(スマホやタブレット)を携帯し、互いのスケジュールやタスクの進捗を一覧で確認できるようにする。

さらに、1~2m単位での位置計測が可能となる上記格子型ネットワークによって、どの看護師がどの病床で業務に当たっているか、即時かつ緻密に把握できるしくみも構築。看護師の位置情報とナースコールを連携させ、迅速に対応できるワークフローを確立する。看護師の動線と業務状況をリアルタイムに可視化することで、看護師間のスムーズな連携を可能にし、看護業務の効率化と質向上につなげるという。

第2段階以降、両者はAIやIoTプラットフォームなどを活用し、入院患者のQOL向上や外来患者の通院・受診支援を実現する共同研究を検討していく。病院の業務効率化から、入院や通院、在宅、自宅での支援も視野に入れた共同研究を展開し、スマートホスピタルの実現を目指していく考えだ。