高速・大容量で低遅延、多数の端末などを同時接続することにも長けた次世代移動通信規格「5G」の実用化が間もなく始まる。同規格によるさまざまな仕組みは近年、遠隔医療や自動運転/コネクテッドカーなどのインフラ、各種産業及びサービスの基盤としても大いに研究開発が進んでいる。
そこで昨年11月に「5G」を用いた便利で快適な空港サービスの実証実験を開始していたJAL、KDDI、KDDI総合研究所は今月13日、今回も共同して、「5G」を用いたしくみ検証の第二弾「航空機整備の遠隔作業支援などに関する実証実験」2種を行うと発表した。これまで通信速度・容量が原因で簡易的なものになっていた、整備や空港など現場における遠隔作業支援等について、5Gによる課題の解消および高度化を試みるという。
「4K解像度の映像を用いた、整備作業の遠隔業務支援」では、出発準備中の航空機の近くや格納庫など、現場にいる整備士の作業を想定して遠隔サポート。細かい部品が多用されている電子部品(ただし訓練用)の解体・組立の指示を、リモートの指示者が映像を確認しながら円滑に実施できるかを検証する。あわせて、KDDI総合研究所が開発した4K映像伝送に対応したAR遠隔作業支援システムの検証も実施する。
現行地デジ・ハイビジョンの16倍、約3,300万画素(参考:総務省PDF)で一層の立体感・臨場感が得られる、「8K解像度の映像を用いた、同一拠点内での整備作業支援」では、事前に格納庫内で撮影した航空機の外観映像を使い、同一拠点内の8K映像の伝送速度を検証する。将来的には高解像度の映像を活用した目視検査など、さまざまな活用法について、検証を進めていくという。
より安全・高品質、便利で快適な航空サービスの実現に資する。本件は「JAL Innovation Lab」を活用し、上記3社で連携をした「ラボ・アライアンス」によるプロジェクトとのことだ。