建設現場の生産性向上を支援するWeb型ERPを提供開始

2020年に向けて需要が伸びている建設業界。首都圏で建設事業が次々と着工する中で、プロジェクトも大規模化しており、工期の長期化、費目や金額の増大など現場の業務管理や会計の管理の複雑化への対応が課題となっている。また、プロジェクトの各段階から原価管理や実行予算作成を徹底するために、ITを活用することへの要望が高まっている。

国土交通省は、建設業界の働き方改革促進に向けて、週休2日の確保をはじめ、長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3つの分野における新たな施策「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定し、人材獲得につなげる検討をしている。

また、2025年度までに建設現場の生産性を20%向上することを目標とした「i-Construction」への対応として、IT導入によって本社側のバックオフィスでも働き方の効率化やマネジメントレベルを引き上げることが進められている。

こうした状況の中、内田洋行の連結子会社である内田洋行ITソリューションズは、建設工事業向けWeb型ERP「PROCES.S(プロセス)エンタープライズバージョン」を発表。建設工事業向けERPシステム「PROCES.S(プロセス)」が新たにクラウド環境に対応し、大幅な機能拡充を行った。同社が販売するPROCES.Sは業種特化システムとして、1985年の発売開始以来、建設工事業で350社を越える導入実績がある。

PROCES.Sエンタープライズバージョンでは、新たに内部統制や帳票の自由設計、自動仕訳、働き方変革関連のAPI連携などの新機能を搭載した。建設・工事業特有の管理項目を標準搭載し、蓄積された情報をあらゆる条件と視点で自由に抽出・照会・出力が可能。Web対応の自由帳票の機能を追加し、モニタリングを強化する。

また、工事に対する完成見込原価、利益の確認を大幅に強化。契約前の案件情報や実行予算、今後支出見込入力により最終予想利益の早期把握が可能。販売データは仕訳として財務管理システムに連動、販売と工事の実績を合算して管理できる。

働き方改革で要望の高まっている現場の勤務時間管理、日報管理、作業員手配や工数集計など他社のシステムとのAPI連携によってトータルシステムを構築できる。業務管理における請求、支払、入金管理の入金、手形管理の手形決済など、財務連動を必要とする各種データは自動仕訳で即時更新。統合データベースにより、基幹業務で必要なデータ・マスタを一元管理しており、二重入力も排除する。これにより、紙や別のシステムで管理されていたデータも全て一元管理を可能にした。

加えて、各プログラム単位に「参照権」「入力権」「印刷権」「データ出力権」「削除権」などの権限機能の設定が可能なるなど内部統制機能を強化。過去の情報データに対して検索機能を追加した。

その他、経営者、経理担当者、現場管理者のそれぞれの視点から、スピーディに課題を発見するために、より確認・活用しやすいユーザーインターフェースにデザインチェンジし、操作性の向上を図った。

クラウド版に加えて、オンプレミス版も用意。クラウド版は月額10万円から、オンプレミス版は50万円からとなっている(いずれも税別)。1年間で50社の売り上げを目指す。