音声・文字のみで病院や福祉施設内の設備機器を操作できる「ツイートREMO」

従来の音声・文字認識AI制御システムは、個々の設備機器としか連係することができなかったため、住宅などの用途に限られていた。これは大量の設備機器が設置される建物において、AIが認識・解析した言語指令を各設備機器へ連携する仕組みが構築されていなかったためだ。その課題を解決するソリューションが登場した。

竹中工務店は、神田通信機と共同で、音声・文字認識AI制御システム「ツイートREMO」を開発した。このシステムは病院や福祉施設に加えオフィスでの使用も想定したもので、スマートスピーカーやスマートフォンを介した音声・文字をAIが認識・解析することで、体の不自由な方でも空調や照明などの設備機器を操作することを可能にする。

ツイートREMOは、大量の設備機器が設置されるオフィスや病院、福祉施設などの建物内において、文字・音声による設備機器の操作を可能にするもの。スマートスピーカーやスマートフォンを介した音声・文字を、クラウド上のAI「Google Assistant」が認識・解析した後、Dialog flowで操作指令に変換しBACnetゲートウェイから各設備機器に操作指令を送信する。

スマートスピーカーやスマートフォンなどのパーソナル媒体により音声信号をクラウドに送信し、クラウド上で音声認識AIが音声を設備制御信号に変換する技術を開発した。また、スマートフォンからの文字(テキスト)による入力についても、クラウド上のAIにより設備制御信号への変換が可能だ。

また、制御信号については、クラウドから新規開発したBACnet対応のゲートウェイを経由して建物内の各設備機器に送信され、遠隔からの操作を可能とする仕組みを開発した。さらにパーソナル媒体からの制御に対応するため、操作の対象室を特定する位置検出アプリケーションを開発した。各部屋に設置したBeacon発信装置が発するBluetooth信号をパーソナル媒体が受信し、BACnetゲートウェイに情報を送信することで、位置検出を行う。これにより、例えば「照明をつけて」という音声や文字を入力するのみで、操作対象室内の照明点灯を可能にした。位置検出システムの構築により、対象室以外の設備機器が誤動作することのないシステムを実現している。