AI×データ×生体情報で生活者インサイトを発見するサービスを提供

日本電気(NEC)とマクロミルは、AIや生体情報を活用したインサイトマーケティングサービスを共同開発し、2019年4月から順次提供開始する。提供サービスは、生体情報を活用した会場調査サービスとAIを活用した生活者購買を予測するサービス。2019年1月から先行して提供開始したAI分析サービス「D-Profile」と合わせてサービス展開する。

生体情報を活用した会場調査サービスは、マクロミルの実施する会場調査においてNECのAI技術「遠隔視線推定技術」やセンタンの「脳波測定技術」を活用し、生体反応を定量的に測定するサービスだ。棚前テストと個別パッケージテストを用意している。

店頭の棚を再現した中で新商品を評価する棚前テストでは、従来のような視線測定装置を身体に着用することなく、より自然な状態で調査を実施できる。新商品を評価する個別パッケージテストでは、視線と脳波を組み合わせることで、デザイン要素別にポジティブ・ネガティブのどちらに働くかを示す。これらの調査を合わせて消費者の興味を引く度合いとなるエンゲージ力を視線の推移と心理面の両面で指標化できるという。

同サービスは先行して2018年9月に実証実験を実施し、従来のアンケート調査では明らかにすることが困難だった「最初に商品のどこを見たのか」「どの商品と比較したのか」、さらには「それがネガティブ・ポジティブのどちらに働いたのか」などの商品選択過程における生活者のリアルな反応を把握できることが実証されていると説明する。

AIを活用した生活者購買を予測するサービスは、NECのAI技術「顧客プロフィール推定技術」でマクロミルの生活者データ(購買データ)の不足項目を補完し、約10万人規模まで拡充したデータを販売するサービスだ。新商品や購買頻度の低い商品など購買量が少ない商材の分析や、DMP(データマネジメントプラットフォーム)で自社の保有する複数データと掛け合わせ分析を行うシーンで、購買パネル数が少なく充分に分析できない課題を解決するという。購買を起点とした消費者理解や広告のプランニング、DMPの構築ニーズなどに応えられると説明する。

これらのサービスの活用により、アンケート調査や会場調査では見いだせない生活者の無意識な反応や行動情報を可視化し、企業は生活者のより深いインサイトをマーケティングや商品開発に活かすことが可能となるという。

今後両社は、これらのソリューションを活用し、店舗における生活者の購買行動に紐づくインサイトを調査するサービスの共同開発を行っていく。2019年度中の提供開始を視野に、実証店舗での実証実験などを通じて事業開発を進めていく計画だ。