同一空域で多様なドローンを安全飛行させるシステムを実証

半歩先の未来、「超スマート社会(Society5.0)」にも描かれている。無人航空機ドローンの活用は、山間部や島しょ部、街中といった地域にかかわらず、物流や郵便、警備、災害調査、点検、測量、農業など、さまざまな分野で期待されている。

高密度でドローンが飛び交う。近い将来には、衝突などの危険を確実に回避するため、全機体の飛行計画と飛行状況を掌握、ドローン運航の総合管理を要する。さらに安全運航では、気象情報や地形、建物の3次元地図情報をドローン事業者に提供する必要があり、NEDOは、ドローンを社会実装するためのシステム構築と飛行試験、技術開発や国際標準化の推進などを目的としたプロジェクトを進めている。

そして今月1日、同機構、NEC、NTTデータ、日立製作所、NTTドコモ、楽天、KDDI、ゼンリン、日本気象協会は、福島県と南相馬市の協力のもと、南相馬市復興工業団地内の「福島ロボットテストフィールド」にて、同一空域で複数事業者のドローンが安全に飛行するための運航管理システムの実証試験を行ったと公表した。試験は'17年11月にNEDOと福島県が締結した協力協定に基づく取り組みの一環だという。

9者は2月25日~28日、上記運航管理システムについて、JAXAの全体設計に基づき構成された、①複数事業者のドローンの運航を共有するための「運航管理統合機能」、②個別事業者が運航管理システムにアクセスし、サービスを実現するための「運航管理機能」、③空域の3次元地図・気象情報などの情報を提供する「情報提供機能」の協調的動作を試験した。

結果、同システムが正常に作動し、基本的な運航管理機能に基づいて同一空域における複数ドローンの飛行を支援できることを確認。ドローンを活用した「災害調査」、「警備」、「物流」、「郵便」の各利用シーンを想定し、合計10機のドローンを目視外で自律飛行させることに成功したという。