車載カメラを用いて高精度地図を作成する

より一層安全で、高齢社会や過疎地域、大型トラックの隊列走行などにも役立つ自動運転の時代が目前に迫っている。そこでは、高精度な地図データ基盤に基づいた信頼性の高い道路情報の提供が不可欠である。

現在、高速道路の地図作成が進んでいるが、そのカバー率は全世界の道路ネットワークの1%未満と推定されていて、高速道路以外での地図作成が課題になっているという。トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)社と米国CARMERA社は、高精度地図の自動生成に向けた一般道での実証実験を共同で行うことに合意した。

TRI-ADはオープンなソフトウェアプラットフォーム「AMP」上で、参加企業から得た自動運転車両データを共有して高精度の地図を作り共有する構想(参考PDF)を持っていて、その第一歩だという。今回の実験において両社は、これから数か月間に渡り、トヨタの市販車向けカメラを搭載した試験車両によって、東京の市街地データを取得する。そしてそのデータをもとに高精度地図を自動的に生成する実証を行う。

一般に販売されている乗用車を使用するため、試験車に搭載するカメラは、トヨタがグローバルで車両に搭載している予防安全パッケージToyota Safety SenseLexus Safety Systemのコンポーネントを採用。同パッケージからの画像データ等をCARMERAのリアルタイムプラットフォームで処理し高精度地図を生成する。

市販ドライブレコーダー(デンソー製)も利用することで、上記パッケージのないフリート車両からの自動生成もあわせて実証する。実験で生成される地図と一般的な地図とを組み合わせることで、より信頼性の高い道路情報の提供が可能となる。将来、世界中の市販車から取得したデータをもとに高精度の地図が自動生成され、あらゆる道路における自動運転の実現が期待できるという。