微細藻類から燃料をつくり人と地球を健康にする、事業の確立でタッグ

地球温暖化の一因とされている二酸化炭素の排出量を抑えるため、また、全生物と人間社会の持続可能性を実現するために世界中で今、様々な取り組みが成されている。化石資源への過度な依存からの脱却もその一つであり、微生物由来の燃料や食料の研究開発が進められている。


日本は石垣島において2005年、世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。「人と地球を健康にする」を経営理念とし、そこで生産した微細藻類やクロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行っているユーグレナ社と、世界中の自動車メーカーに先進的な技術・製品を提供し、それを生活・産業関連機器にも応用して「新しい価値の創造を通じて人々の幸福に貢献する」デンソーは、双方の微細藻類に関する知見を持ち寄り、多彩な事業の具現化を目指す。

2月20日に基本合意に至ったことを発表した、包括的提携の項目は、「1.バイオ燃料事業の開発」、「2.微細藻類培養技術の研究開発」、「3.藻類の食品・化粧品等への利用」、「4.微細藻類による物質生産」だという。両社は、従来それぞれバイオ燃料の研究開発に取り組んでいて、今回の提携により、大規模かつ安定的でより安価な生産、バイオ燃料事業を産業として確立する「GREEN OIL JAPAN」の目標を共有する。

複数の微細藻類を原料としたバイオ燃料の製造を実現することで、将来的な原料調達の多様化と安定的なバイオジェット・ディーゼル燃料供給に向けた研究を加速させていき、同燃料の一部をデンソーの社内運行バスに使用することも検討するという。ほかにもたとえば項目3では、「微細藻類という自然素材で健康的な生活を社会に届ける」ことで互いの技術や販売力などを結集する。

両社の取り組みは、国連で示された持続可能な開発目標(SDGs)のうち、GOAL3・7・9・13に貢献するものだ。