脳波測定と映像・音・香りで環境を変化させる集中空間ソリューションを開発、凸版印刷

凸版印刷は、脳波測定と連携し映像・音・香りで環境を変化させる集中空間ソリューションを開発した。ソリューションの効果検証を目的に2019年1月末から2月下旬にかけてワークスタイリング八重洲(東京都千代田区丸の内)の個室空間における実証実験を実施。被験者の集中力向上が確認され、有効性が実証された。

今回の実証は、被験者の耳に凸版印刷が韓国SOSOH&Cと共同開発中の脳波を手軽に測定できるイヤホン型脳波測定デバイスを装着し、集中状態を可視化。デバイスが集中度低下を検知すると、Bluetoothで連携しているタブレットなどの情報通信端末からリフレッシュの提案が実施される。

被験者が好みに応じた提案内容を選択すると凸版印刷が従来提供してきた高品質4K映像を活用しストレスケアを促進する「NaturalWindow(ナチュラルウインドウ)」やシーンに応じて複数の香りを瞬時に切り替えることができる装置「アロマシューター」を活用した映像・音・香りによる空間演出で疑似的に変化させた集中力向上のための外環境を提供する。実証実験では、同ソリューションを導入した個室空間と通常の個室空間で被験者が仕事を行った際の集中度の測定と比較を実施した。

その結果、被験者の69%がソリューション導入個室空間において集中できたと回答。また、被験者の61%が環境切り替え後により高い集中力上昇率を計測できたという。凸版印刷は、実証実験を通じた効果検証により、同ソリューションの実用化に向けての取り組みを進め2019年6月からの提供開始を目指す。また今後も、脳波以外の生理指標と味覚や触覚なども含めた五感への刺激を連動させたソリューションの開発を推進していく。