AIを活用したクラウド型「買掛金管理自動化支援ソリューション」、富士ゼロックス

富士ゼロックスは、買掛金管理業務領域に先進的なサービスを提供する仏Esker(エスカー)と提携し、買掛金管理の業務プロセスを効率化する「買掛金管理自動化支援ソリューション」を日本で提供開始した。

買掛金管理自動化支援ソリューションは、富士ゼロックスがこれまで培ってきた文書管理に関するコンサルテーション能力やソリューション構築能力などのノウハウと、エスカーの買掛金管理業務サービスを合わせることで、請求書処理の申請から承認、保管までの一連の文書ライフサイクルや、各会計管理システムとの連携による、総合的な業務効率化を支援するというもの。

このソリューションは富士ゼロックスニュージーランドが先行して提供していたが、今回エスカーとの提携範囲を拡大し、日本に続き、オーストラリア、香港、シンガポールでも順次提供する。

これまでの買掛金の管理業務は、仕入先ごとに請求書のフォーマットが異なり自動化が難しく、人手によるデータ抽出に莫大な工数がかかっていた。さらに手作業ゆえの作業ミスや、紙管理による処理漏れや紛失リスクなどが課題だった。また、承認までのリードタイムの長期化、自社の会計管理システムとの突合作業の手間などもあり、誤払いや支払い漏れ、二重支払いといったリスクにつながる恐れもあった。

このような課題に対して、買掛金管理自動化支援ソリューションは企業ごとに異なる多様な買掛金管理業務プロセスへ柔軟に対応すると富士ゼロックスでは説明する。同ソリューションは、AI(人工知能)の活用における機械学習との組み合わせにより、あらゆる形式の請求書からOCRによるデータの自動抽出が可能で、これまで必要とされていた帳票の種類ごとに発生する煩雑な設定を不要とするという。

また、処理業務を繰り返す中で学習を重ね、情報の抽出精度を向上させていく。さらには情報抽出の効率化に留まらず、承認ワークフローの電子化、会計管理システムとの連携によるデータ突合など、買掛金管理に特化した包括的なソリューションを提供する。

これまで手作業で行っていた煩雑な請求書の処理業務を改善するほか、申請から承認までのリードタイムを短縮、未払金や処理すべき請求書処理などの見える化を実現し、ガバナンス強化も支援する。また、買掛金管理に特化した操作性が追求されていることで、ユーザーの確認・訂正作業などにおいても、ユーザー中心の使いやすさを追求した。

一例として、ある企業における検証では、買掛金請求書の処理速度が手入力に比べ65%向上し、一連のプロセスが100%見える化されることで処理中の請求書の状態が常に把握でき買掛金管理業務の改善ができる、などの結果が得られたという。