光アクセス向けDBA機能の部品化を実現する、国際標準APIを公開

2時間の映画を3秒でダウンロードできる。大容量と高速性のほかにも、IoT・自動運転時代に必要となる低遅延と多端末同時接続といった特長を備えた第5世代移動通信規格(5G)の実用化を目前に控えて、通信事業者らは沸き、利用者は新しいサービスの誕生を期待している。

振り返ってみればADSLから始まり、現在「光」が最盛期であるブロードバンド分野では、そのサービス普及に向けて、国際標準のシステム管理・制御プロトコル仕様および相互接続仕様が策定され、公開されている。この取り組みの推進役であるグローバルな業界団体Broadband Forum (BBF)は、アクセスシステムの機能部品化に要するアーキテクチャ、インタフェースおよびプロトコルの仕様化を活発にしていたという。

NTTは、BBFにおいて、中華通信とともに取り組んできた光アクセスシステムの適用領域を格段に拡充する「帯域割当制御(DBA)機能」のソフトウェア部品化――従来困難とされてきた仕組みを実現するAPI仕様を規定した国際標準が、昨年12月に公開されたことを今月13日に発表した。今回仕様化し公開されたBBF国際標準は2つの技術文書(TR)で構成されている。

TR-402は、5G以降のモバイルシステムの基地局収容を含むユースケースなどDBA機能のソフトウェア部品化に関する概要と、同APIの機能要件を規定。TR-403では同APIの詳細(フォーマットおよび性能要件)が仕様化された。5Gにおいてサブミリ秒オーダでの高速処理が求められるDBAは、システム性能をつかさどる重要な機能であり、標準仕様APIの普及により、光アクセスシステムの適用領域拡大に貢献するという。

NTTは、今後も世界のキャリア、システムベンダ、標準化団体、OSS開発団体等と協調し、上記APIの普及および多様なサービスに迅速に対応する光アクセスシステムの実現をめざしていく構えだ。