日常の健康管理に役立つヘルスケアサービスの実証実験、奈良市内で実施

近鉄グループホールディングスは、奈良県立医科大学 MBT研究所、MBTリンクと連携し、2019年4月から一年間、奈良市の学園前住宅地、登美ヶ丘住宅地において、日常の健康管理に役立つヘルスケアサービスの実証実験を行う。

近鉄グループでは、2007年から生活応援事業「近鉄"楽・元気"生活」として、沿線住民に、日常の家事からお住まいのリフォームまで、あらゆる生活シーンで役立つ生活関連サービスの提供を行ってきた。また、2018年6月には、近鉄不動産が介護事業や福祉用具事業を行う近鉄スマイルライフを完全子会社化し、グループとして一体的なシニアビジネスの運営体制を整備し、シニア層の生活を支えるべく提供サービスの拡大・充実を目指している。

今回は、長寿化に伴う沿線住民の健康管理ニーズに応えるとともに、沿線住宅地が抱える様々な課題の解決を目指して、国土交通省「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」を活用した実証実験に取り組むことにした。

実験ではウェアラブル端末などを使用して、一人ひとりのバイタルデータや生活環境データを収集・蓄積・分析し、医学的根拠のある生活アドバイスを提供する「パーソナル健康サービス」や、家族にバイタルデータの異常を通知する「異常値通知サービス」を提供。さらに、生活アドバイスに即したお料理レシピを提供し、食材を購入し易いようネットスーパーにもリンクする「レコメンデーションサービス」を実施する。

また、域内消費や域内コミュニティの活性化を促す「健康ポイントサービス」をブロックチェーンのシステムを用いて発行。この健康ポイントサービスによって、郊外住宅団地において社会問題となっている住民の高齢化による「消費行動の減退」や「コミュニティ機能の低下」の解決につなげていきたいと考えている。

今後、1年間の実証実験を終え、その結果や効果を検証した上で、「近鉄"楽・元気"生活」の新たなサービスとして、ヘルスケアサービスの実装化を目指す。また、オンライン診療の普及やオンライン服薬指導の解禁、処方箋の完全電子化などを見据え、将来的にかかりつけ医によるオンラインでの診療をサービスに組み込むことも検討していくという。