IoTセンサーへのサイバー攻撃を高精度検知する

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代に突入した。日本では、この技術や人工知能(AI)といった先端技術を活用して人々の暮らしや産業などをより豊かにする「超スマート社会」が描かれている。一方で、IoTの普及により、様々な現場でサイバー攻撃の脅威が一層高まっている。

ドローン、AI家電、医療・介護、スマートワーク、スマート経営、自動走行。内閣府の「ソサエティ5.0」サイトでは、半歩先の未来としてこれら6分野がピックアップされている。いずれも、その基盤に通信を含むIT(情報技術)が活用されてこそ実現されるものであり、たとえば建設機械や農機はすでにIoT化が進んでいる。自律型ドローンの産業および社会インフラ点検での活用も研究開発が盛んだ。

'20年代に本格化する自動運転では、その安全性確保のためにも車両は常時ネットワークに接続されていて、他の車両や交通インフラと交信しつつ走行することが必須となる。近未来の車/コネクテッドカーは、IoT機器の一種だといえる。現在、企業・団体で使われているITシステム、個人が使うPCなどに比べても、監視カメラ等のサイバーセキュリティ対策は相当程度劣っている。

ゆえに総務省とNICTは今月1日「IoT機器調査及び利用者への注意喚起の取組『NOTICE』の実施」を公表。インターネットサービスプロバイダとともに専用Webサイトを使って啓蒙プロジェクトを開始している。サイバー攻撃による危機は、監視カメラや家電などよりも、産業界における代表的なデジタル転換のしくみ、多数のセンサーを駆使したIoTシステムに迫っている。

7日、三菱電機は、自動制御の要となるセンサーフュージョンアルゴリズムに、独自の「センサー攻撃検知アルゴリズム」を実装し、サイバー攻撃で発生する計測データの矛盾を高精度に検知する「センサーセキュリティー技術」を世界で初めて開発したと発表した。