IoT機器を狙ったサイバー攻撃が増加、NICTのサイバー攻撃観測

NICTサイバーセキュリティ研究所は、「NICTER観測レポート2018」を公開した。NICTERプロジェクトの大規模サイバー攻撃観測網で2018年に観測されたサイバー攻撃関連通信は、2017年と比べて約1.4倍と昨年以上の増加傾向にあるという。

NICTER(Network Incident analysis Center for Tactical Emergency Response)は、NICTにて研究開発されているコンピュータネットワーク上で発生する様々な情報セキュリティ上の脅威を広域で迅速に把握し、有効な対策を導出するための複合的なシステム。サイバー攻撃の観測やマルウェアの収集などによって得られた情報を相関分析し、その原因を究明する機能を持つ。

NICTサイバーセキュリティ研究所では、NICTERプロジェクトにおいて大規模サイバー攻撃観測網(ダークネット観測網)を構築し、2005年からサイバー攻撃関連通信の観測を続けている。

ICTERのダークネット観測網(約30万IPアドレス)において2018年に観測されたサイバー攻撃関連通信は、合計2,121億パケットに上り、1IPアドレス当たり約79万パケットが1年間に届いた計算になる。

2018年の総観測パケット数は、2017年から約600億増加したが、この増分を分析した結果、海外組織からの調査目的と見られるスキャンが総パケットに占める割合が、2017年の6.8%から2018年は35%へと大幅に増加し、753億パケット(総パケットの35%)にも及ぶことが判明した。

2018年に特徴的な観測事象としては、IoT機器が仮想通貨採掘を強要する悪性プログラムに大規模感染する事象や、Android OSを搭載する様々なIoT機器を狙った感染活動も観測している。NICTERで新たに発見した脆弱性やインシデントについては、関連組織への報告や情報共有を行った。

IoT機器を狙った通信では、2017年に4割近くを占めていたTelnet(23/TCP)を狙う攻撃が減少する一方、IoT機器に固有の脆弱性を狙う攻撃が増加し、攻撃対象や攻撃手法が細分化している様子が観測されている。

IoT機器の脆弱性が公開されると、その脆弱性を悪用するマルウェアの攻撃通信が観測されるというパターンが一般化しており、IoT機器の脆弱性対策は、感染の未然防止や被害の拡大防止の観点でますます重要になってきている。