実証では、交差点における自動走行車両の安全でスムーズな走行の実現と安全・安心な街づくりの実現を目的に、道路側に設置されているインフラ設備と実証車両の協調方法や映像解析手法について技術的検証と課題抽出を行う。
交差点にある関西電力の電柱に設置したカメラの映像を、OKIがディープラーニングなどのAI技術によって解析し、自動走行車両の通行を阻害する車両など動態物の存在位置やその進行方向、速度などを検出。さらに、動態物が交差点へ到達する時刻を予測し、その情報を自動走行車両に伝達することで、自動走行車両の安全でスムーズな走行に向けた技術的実証と課題抽出を行う。
OKIは、屋外カメラの映像を解析することで、自動走行車両から直接検知できない車両などの存在を検出し、存在位置と移動方向や速度などから当該車両が交差点に到達する時刻などを推定するAI技術を開発。
関西電力は、電柱にカメラを設置し、AIによる映像解析技術の開発に必要な映像を収集。屋外カメラの映像を解析することで、路上でのうずくまりや転倒などを検知するAIなどの技術的評価と課題を抽出する。
日本総研は、これまで自動走行車両の実証実験を実施、あるいは支援してきた多くの経験を踏まえ、交差点の安全な通行を支援する仕組みとして、交差点の状況を道路側から自動走行車両に伝達するシステムの導入を提案してきた。
実証は日本総研が主催する「まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム」の活動の一環として実施するもの。まちなか自動移動サービスとは、住宅地内の店舗や公共施設、病院、バス停までのラストマイルの近隣移動サービスのこと。既存の公共交通とのシームレスな乗り継ぎも含めた、利便性の高い新しい交通ネットワークの構築のほか、移動サービスを通じて取得される各種データを活用し、店舗への販促支援や住民への情報配信などの付加価値サービスの提供も検討されている。
また、同コンソーシアムは、住宅地をはじめとした限定地域内において、自動運転技術を活用して高齢者などの近隣移動をサポートするサービスの事業構想を策定することを目的に設立された。まちなか自動移動サービスの社会実装に必要な車両、システムの仕様および事業仮説を検討などに取り組み、まちなか自動移動サービスの早期実現を目指している。