Wi-Fi経由の位置情報を活用するクラウドでDXを支援

総務省の「平成30年度版情報通信白書」にある情報通信機器の世帯保有率グラフをみると、2010年に9.7%だったスマホのそれは急速に伸びて'17年に75.1%。その年タブレット端末の保有率は36.4%になっていて、率は僅かだがウェアラブル端末もすでに実用されていることがわかる。

白書発行から1年経ち、スマホの保有率は上がりこそすれ下がることはないと推察できる。若者世代に絞ってみればほぼ一人一台、スマホを常に持ち歩く時代となっている。現在、有償無償のWi-Fiアクセスポイントは至るところで増殖していて、さまざまなモバイル端末の位置情報を分析することで、人の行動の可視化が実現できる。

今月6日、NECネッツエスアイは、米国Kloudspot社提供のデジタルトランスフォーメーション(DX)プラットフォームの日本国内独占販売権を取得、これを「Wi-Fi活用 位置情報見える化サービス Kloudspot」として3月1日から販売すると発表した。

同プラットフォームは、CiscoやMeraki、RuckusなどのWi-Fiネットワークと連携し、PCやスマホ、タブレット等がアクセスポイントと通信するデータをもとに位置情報を取得する。特別なアプリケーションを端末にインストールする必要がなく、設置済Wi-Fi環境をKloudspotと連携させ、位置情報を収集・分析できるため、導入が非常に容易だという。

スマホなどの端末に紐づく人、端末自体および機器類の位置情報を収集し、リアルタイムに分析するだけでなく、従来複雑なシステムや煩雑なオペレーションを要したオフィスの稼働率やヒートマップ、時間帯別の占有率を可視化、あるいは現在地から目的地までの経路案内など、多様なビジネス分野におけるDXをサポートするという。NECネッツエスアイは、同プラットフォーム関連ビジネスで'20年までに累計売上10億円をめざす構えだ。