グランフロント大阪にてスマートシティーの実現をめざす

第5期科学技術基本計画において、IoT(モノのインターネット)、ロボット、AI(人工知能)、ビッグデータなどの新技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れてイノベーションを創出し、一人一人のニーズに合わせる形で社会的課題を解決すると謳われている。

「超スマート社会(ソサエティ5.0)」の背景や意義は内閣府Webで解説されている。そのような社会の実現において、大きなインパクトをもたらすだろう「まちづくり分野」について、国交省都市局は昨夏「スマートシティーの実現に向けて」と題した中間報告(PDF資料)を行っていて、国内外の現状やより具体的な課題と技術を例示し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を引き合いに出しつつ、都市開発の方向性を整理している。

そして今月6日、NECはグランフロント大阪において、APIR、NTT西日本とともにスマートシティの実証実験を行っていることを発表。3月24日まで、同施設北館に設置した各種センサにて、混雑度・群衆流量の把握と異常音の検知に取り組む。NTT西日本のIoTプラットフォームとの連携による安全・安心なまちづくりのための仕組みの検討も行うという。

今回、NECの「群衆マネジメントソリューション」を用いて、主要通路やエスカレータ付近など6箇所のカメラ映像を分析することで、混雑状況や人流をリアルタイムに把握し、警備員配置や避難誘導を最適化する。また、「音状況認識技術」を活用し、施設内1箇所にある複数の音センサからの情報を分析することで、破裂、ガラス割れ、悲鳴などの異常音の検知やにぎわい度のリアルタイム計測を行う。

事件・事故の早期解決にも貢献するという。実証実験における撮像は、来街者の人数、混雑度、移動方向の推定データを分析後に破棄。顔や容貌などの特徴検出(顔認証等)は行わず、音情報についても、検知・計測後にセンサ内で破棄し、プライバシーを保護するという。