AIを活用したファッションアパレル企業向け情報分析・品揃え計画システム

クオリカは、流通・サービス業界のファッションアパレル企業向けMD支援システム(MDSS:Merchandising Decision Support System)と、SENSYのパーソナルAI(人工知能)を活用した需要予測サービスを組み合わせた新プロダクト開発に向け、実証実験をスタートすることを発表した。

MD支援システムは、ファッションアパレル特有の変動要素の高い商品の消化状況を素早く見極め、最適なアクションを導き出すための情報分析・MD計画(品揃え計画)システム。クオリカでは、これまで属人化しがちなMD業務に対して精度・効率を更に向上させるため、同業務におけるAI活用を検討してきた。今回、精度の高い需要予測機能を兼ね備えたMD計画システムの開発に向けて、ファッションアパレル業界向けにAIの導入実績を持つSENSYと協業する。

SENSYは、独自開発するパーソナルAIを活用し、多種多様な商品の消化状況を左右する因果関係の解析を実施する。AIが数10万アイテムの売上を気候などの外部要素も含めて、ユーザー単位・アイテム単位で未来の消化状況を予測し、商品単位の最適なMD計画を支援する。

実証実験には、オリジナルブランドによる婦人服・服飾雑貨の企画開発などを行うMARK STYLERが参加する。

MARK STYLERは2005年設立以降、多数のブランドを展開し、幅広い世代からの支持を持ちトレンドに適したスタイリッシュなファッション商材を約200の店舗とeコマースから提供している。本部のMD業務は展開商品の鮮度維持や、多様化するお客様ニーズを反映したフェース作り、売れ筋商品の見極め、在庫の適切なコントロールなど、業務が多岐に渡ることから人材育成が難しく、かつ時間を要するものだった。

そのため、売価変更判断や需要予測を個人の経験値で実施されることもあり、本部業務の標準化や効率化を進めることが困難。また、本部スタッフの業務量が多いうえ、近年の少子高齢化による人材不足や離職などを見据えた働き方改革も重要な経営課題となっているという。

今回、クオリカがSENSY-AIを活用する実証実験では、MARK STYLERの売上・在庫等の実績データからAIが導き出す需要予測に基づく売価変更で実施した結果と、従来の業務で実施した結果を週次で確認し、AI予測精度を検証していく。AIによる需要予測と売価変更によりMD業務の精度向上と標準化を実現し、業務負荷を軽減することにより本部スタッフの満足度向上も目指す。