AI×リアルタイム画像解析技術で社用車の交通違反を即時通知

日本ユニシスは、法人向けに提供している通信型ドライブレコーダー「無事故プログラム DR」に、フィーチャのAI(人工知能)アルゴリズムを搭載し、リアルタイム画像解析技術を活用した、交通違反を即時通知する機能を追加した。

昨今、若年層の車離れや働き手の減少により、普段あまり運転をしない人が社用車を利用する機会が増えつつある。また、交通事故件数は減少傾向にあるものの、依然として全国で1日当たり1000件を超える交通事故が発生している。


日本ユニシスは、重要な社会課題である交通事故に対し、「ドライブレコーダー×IT」で社用車の安全運転を支援するサービス「無事故プログラムDR」を2009年から提供している。2019年1月現在、約1200社、5万台の販売実績がある。サービスの開発にあたっては、信号無視や速度違反といった累犯性の高い違反を起こすドライバーは事故を起こす可能性が高い点に着目し、ドライブレコーダーをキーとした違反運転検知の取り組みを進めてきた。

今回追加した新機能は、AIアルゴリズムが走行中のカメラ映像から赤信号、速度標識、一時停止標識をリアルタイムで検知し、交通違反の疑いのある運転を自動で判断して管理者へ映像付きのメールを通知するサービス。

具体的には、赤信号を検知した後に走行した場合、速度標識を検知し、標識速度から設定速度以上の超過があった場合、一時停止標識を検知した後、停止せずに走行した場合などをAIで判断する。

法人のドライブレコーダーの導入目的は、事故映像の記録、加速度センサーによる危険運転(ヒヤリハット)の見える化の2つが大勢を占めている。しかし、ドライバーが無意識に起こしがちな累犯性のある違反運転はヒヤリハットよりも多いと言われており、これらの見える化は交通事故のリスクを減らすために必要だという。

日本ユニシスでは、このサービスにより、交通違反の疑いのある運転だけをドライブレコーダーが自動で見極めて即時通知することが可能になると説明する。企業の管理者は届いたメールの映像を見るだけで社員の運転の見える化、指導できるようになる。無事故プログラム DRは社用車管理という業務に対し、負荷を増やさずにより高度な安全運転指導を提供する。

また、同社は今回の新機能提供で得た知見やノウハウを、自社AI関連サービス体系「Rinza」と連携させ、安全運転啓蒙、モビリティ分野などでの実用化を検討していく予定だ。